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プノンペン

プノンペン中心部から南西5kmに位置する通称ゴミ山。

ここは街から出たゴミを集めている集積場。毎日400台以上のトラックがここにゴミを運んでくる。

この集積場は日本の集積場とは大きく異なる。この巨大な山には人が住んでいる。

正確な数は不明といわれているが、プノンペンの集積場には2000世帯の人が暮らしているとされている。

彼らはどのように暮らしているのだろうか、食事はどうしているのだろうか、どんな家に住んでいるのだろうか、どんな人たちがいるのだろうか。とにかく、自分の目で見てみることにした。

街の中心部から出発し、自転車のペダルを30分もこいだだろうか。宿でもらったインクの滲んだ地図の外れにあるゴミ山。それだけを頼りに、国道を真っ直ぐ走っていると簡単にそれを見つけることができた。

時刻は午後3時を過ぎているが、次々にトラックがゴミを積んで道を曲がって消えていく。そのトラックを追いかけるように国道を東に曲がると、それまでの風景が一変した。

道の両端では人々がしきりに空き缶や瓶の選別をしていた。決して古くはないゴミの施設もいくつか確認することができた。
その道をさらに進むと、目の前に大きな丘が現れた。

ゴミ山である。

入り口でトラックは一列に列を成して並んでいた。ゴミの重さを測定しているのだろうか。そこに自転車を止めさせてもらい、歩くことにした。

すると、驚いたことに入り口のすぐ奥に学校があった。
看板には、for Vulnerable Child Garbage Workersと書いてある。ゴミ山で働く子供たちのフリースクールのようだ。
ここの子供たちは日本の子供たちと変わらず、腕白小僧ばかり。みんな身なりも汚くはない。
ここの状況は支援によって改善されているようだ。

そして、いよいよゴミの山へ足を運ぼうと目を向けると、一人の西洋人が歩いていた。観光客かと思い話しかけると、彼女はいいえと否定した。オーストラリア人の彼女は人類学の先生。カンボジア人の助手とこの山での人々の生活を調べに来ていた。

彼女に付いて行き、山の上に向かった。
この辺りから、臭いがきつくて鼻で息することはできなくなった。特にヘドロの近くを歩くときは口呼吸すらできない。
物質というのはこんなにも異様な臭いを発することができるのか。
とにかく、臭い。

入り口を通過したトラックも山のほうへと向かっていた。
トラックと同じ進路をとり、山の上に上がると凄まじい光景が広がった。
トラックが捨てたゴミの周りに、何人、何十人、いや何百人の人がいるだろうか。皆が一様に下を向き、ゴミを漁っていた。彼らはこの中から、金属や瓶、缶などを集め、生計を立てている。
子供で1ドル、大人で2ドル。劣悪な環境で一日働き、彼らはお金を得ている。

山の上からは彼らの村も確認することができた。カンボジア伝統の高床式住宅でゴミ山のすぐ横にある。

ここにいる人々は、この劣悪な環境の中で生まれ、暮らし、遊び、働き、死んでいく。

この山から出たことはあるのだろうか。
街の中へ行ったことはあるのだろうか。


彼らの表情は非常に明るい。
大人は笑顔で、楽しそうにゴミを集めている。
子供はゴミを拾う中で遊びを見つけ、自分のものにしている。

ここにいる人々はプノンペンで出会った誰よりも良い顔をしている。
生きることに飢え、生きることを楽しみ、生きることに誇りを持っている。

そこには、我々が捉えがちなゴミ山=不幸の構図はなかった。

こんなにも親切な人々にカンボジアで初めて会うことができた。この素敵な出会いが素直にうれしい。

ここには無料の学校もクリニックもある。
だが、全ての人々がここに通えるわけではなさそうだ。どちらも時間とお金に余裕のある人に限られている。
僕の出会った男の子は、目が真っ赤に晴れ上がり、足も傷で相当悪い状況だった。

ここは人間が住めるような場所ではない。
最悪な場所だ。


だが、そんな中で誰よりも高貴に暮らしている人々がいる。
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プロフィール

ヨネ

Author:ヨネ
一年間アジア、アフリカ、中東、南米など30ヶ国で豪遊。世界一周。 写真展『アップルワールド~真実の眼~』開催。フィリピン、マニラにて生活中。shunsukeyone@gmail.com

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