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アレッポのイラク人

今まさに虐殺の起きているシリア。40年以上独裁を続けているアサド一族による弾圧です。
本当に悲しいです。

僕の訪れた2年前は、街中いたるところにアサド大統領の肖像画が飾られていました。独裁とは知っていましたが、愛国心の強いシリア人には人気があるものと今回の騒動まで勘違いしていました。恥ずかしい限りです。

これは、北部の街アレッポでの2年前の出来事です。


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カラッとした中東特有の暑さの日だった。

シリアの古都アレッポを一日中歩き回り、僕は馴染みの水タバコ屋で疲れた体を休めた。大きく息を吸い込み、その日ためた疲れともどもお腹から息を吐き出す。
店内は男たちの吐く煙で充満している。


「どこから来たんだ」


水タバコを吸うアジア人が珍しいのか、隣の男が話しかけてきた。
豊かなひげを生やし、大きな身体を持った男。中年だと思った男は私より二つ年上の学生だった。イラク人で行政学を学びに留学に来ているという。



IMG_8577.jpg
         <僕の直ぐ右にいる男性が24歳学生です。笑>




しばらく他愛もない話をしていたが、僕はどうしてもあることを聞きたくなった。
こぶしを握り締め、思い切って聞いた。


「戦争はどうだった」


彼の眼が鋭さを増した。
少し間を置いて、彼は口を開いた。


「あの戦争は、俺の国を破壊した。俺はそのことを決して忘れない。」


彼の目は赤くなり、声は少し震えていた。
身体が硬直した。
彼は続けた。


「そういえばあの戦争、日本も参加していたよな。」


返す言葉が無かった。タバコの煙と暑い夜の空気の中、背筋が凍った。

彼は最後にこう言って立ち去った。


「俺はここで行政学を学び、新しい平和な国を創る力になりたいんだ」




戦争が起きた当時、僕は何を考えていただろう。

「何か大きなことが起きた」その程度の事実としてしか認識していなかった。戦争をどこか遠くの出来事と考えていた。日本が関わっているとは考えもしなかった。自分の国のことすら知ろうとしていなかった。日本と向き合っていなかった。


イラク人の彼は少しでも前向きな未来を創ろうと真剣に自分の国と向き合っていた。イラクを生きていた。

今も彼の言葉が頭に残る。

自分の国が、知らぬ間に遠いどこかで暮らす人の暮らしに大きな影響を与えることのある時代だ。
知らぬ間に。

僕も自分の国を知ろう。日本と真剣に向き合っていこう。それは、このグローバルな時代で生きていく責任でもあるはずだ。




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プロフィール

ヨネ

Author:ヨネ
一年間アジア、アフリカ、中東、南米など30ヶ国で豪遊。世界一周。 写真展『アップルワールド~真実の眼~』開催。フィリピン、マニラにて生活中。shunsukeyone@gmail.com

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