スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アレッポのイラク人

今まさに虐殺の起きているシリア。40年以上独裁を続けているアサド一族による弾圧です。
本当に悲しいです。

僕の訪れた2年前は、街中いたるところにアサド大統領の肖像画が飾られていました。独裁とは知っていましたが、愛国心の強いシリア人には人気があるものと今回の騒動まで勘違いしていました。恥ずかしい限りです。

これは、北部の街アレッポでの2年前の出来事です。


---------------------------------------------------------------

IMG_8586.jpg



カラッとした中東特有の暑さの日だった。

シリアの古都アレッポを一日中歩き回り、僕は馴染みの水タバコ屋で疲れた体を休めた。大きく息を吸い込み、その日ためた疲れともどもお腹から息を吐き出す。
店内は男たちの吐く煙で充満している。


「どこから来たんだ」


水タバコを吸うアジア人が珍しいのか、隣の男が話しかけてきた。
豊かなひげを生やし、大きな身体を持った男。中年だと思った男は私より二つ年上の学生だった。イラク人で行政学を学びに留学に来ているという。



IMG_8577.jpg
         <僕の直ぐ右にいる男性が24歳学生です。笑>




しばらく他愛もない話をしていたが、僕はどうしてもあることを聞きたくなった。
こぶしを握り締め、思い切って聞いた。


「戦争はどうだった」


彼の眼が鋭さを増した。
少し間を置いて、彼は口を開いた。


「あの戦争は、俺の国を破壊した。俺はそのことを決して忘れない。」


彼の目は赤くなり、声は少し震えていた。
身体が硬直した。
彼は続けた。


「そういえばあの戦争、日本も参加していたよな。」


返す言葉が無かった。タバコの煙と暑い夜の空気の中、背筋が凍った。

彼は最後にこう言って立ち去った。


「俺はここで行政学を学び、新しい平和な国を創る力になりたいんだ」




戦争が起きた当時、僕は何を考えていただろう。

「何か大きなことが起きた」その程度の事実としてしか認識していなかった。戦争をどこか遠くの出来事と考えていた。日本が関わっているとは考えもしなかった。自分の国のことすら知ろうとしていなかった。日本と向き合っていなかった。


イラク人の彼は少しでも前向きな未来を創ろうと真剣に自分の国と向き合っていた。イラクを生きていた。

今も彼の言葉が頭に残る。

自分の国が、知らぬ間に遠いどこかで暮らす人の暮らしに大きな影響を与えることのある時代だ。
知らぬ間に。

僕も自分の国を知ろう。日本と真剣に向き合っていこう。それは、このグローバルな時代で生きていく責任でもあるはずだ。




IMG_8488.jpg

IMG_8519.jpg

スポンサーサイト

桜はきっとぴんくだぜ

昨日で帰国してから丁度一年が経ちました。

一年が経つと、去年の今頃はあそこにいたなーとか、丁度バカしてた頃だなーとか思えなくなります。
そんなの当然でわざわざ言うなよって感じですが、それが時の流れを感じさせるとともに、一つの区切りのように感じられます。
なのでここでもう一度、あの時、旅が終わった時、自分が何を思っていたのか振り返ろうと思いました。
今は少し立ち止まり、自分を再確認したいのです。

それだけです。



日本は不景気と地震と大津波。でも桜はきっとぴんくだぜ。






2010年03月13日のブログ


標高6088mのワイナポトシ山に登ってきた。



エベレストトレッキングの時の失敗を活かし、水分を一日4リットル以上摂取し高度順応を行う。

その甲斐あって高山病の症状は下山時までほとんど表れなかった。




山頂へのアタックは深夜1時に開始。

プラスチックブーツに大きな爪のアイゼンを装着し、ザイルで身を固定。ピッケルを使いながら一歩ずつ登っていく。



ガイドのミゲルがお前はストロングマンだと言って口笛を吹きながらどんどん進んでいく。

ほとんど休憩らしい休憩を与えてくれない。





月明かりのない星空はあたりを照らすのに十分な力をもつ。

もちろん、そんな星空を楽しむことなく前をすすんでゆく。



やはりペースが速いようだ。

先発した他の隊をどんどん追い越していく。



気づけば先頭を進んでいる。

山頂はまだ遥か彼方。





山頂のことなど考えず、一歩一歩進んでいった。

突如、ミゲルがそこで立ち止まった。

辺りを見ると、ぱっくり口をあけたクレバスが静かに、何かを待ち構えているかのように僕たちを囲んでいる。



もう進めそうなところなんてない。


しかし、ミゲルは進んだ。

その地球の割れ目のようなクレバスを避けて、急な斜面をそれと平行に進む。

斜面の角度は80度くらいに感じる。

体感だからせいぜい角度はその半分くらいだろう。


でも体はそう感じている。




P3121986.jpg




ミゲルは再び立ち止まり今度はその急斜面を真上に登り始める。


反り立つような斜面。

ふぜけんなよ、こんなん無理に決まってんじゃんかよ、と心の中で叫ぶ。



そんな声はもちろん彼には聞こえるはずもなく、早く登れ、とせかしてくる。


ペースを考えろ、と大声で怒鳴った。


登るしかなかった。

右手にピッケルを持ち、手を伸ばしたほどの高さの斜面に刺す。それが固定されたのを確認し、左手で腰に装着したザイルを強く握りながら、右足を上にあげアイゼンの爪を斜面に刺す。次にその右足とピッケルをもつ右手の力を利用して左足をあげアイゼンの爪を斜面に刺す。両足の安定を確認するとピッケルを抜いて、再び同じ動作を行う。


一歩、二歩。体を運ぶだけで相当な体力が失われる。


斜面を登る時の恐怖は今まで感じたことのないものだ。

あたりを恐怖が囲む。

それが今にも襲いかかってくる。

止まると何か大きなもののなかに放り込まれるように感じる。

鳥肌がたった。

命の安全を保障しているザイルなどその際なんの意味も成さない。

できるだけ止まらず、この先の体力など考えずに進んでいく。




IMG_7564.jpg




尾根に出た。

山頂はもうすぐそこだ。


彼方にラパスの街の夜景が見える。

そのオレンジ色の集合体はなんて空虚なんだろう。



そこから疲れなど全く感じることなく、山頂に達することができた。



山頂でのことはあまり覚えていない。

写真を何枚か撮って、他の登頂者と喜びを分かち合った。

その頃はもうあたりは明るくなり始めたんだけど、景色をゆっくりと眺めることはなかったと思う。



山頂に着いて、360度視界がひらけたときだった。

涙が流れ出てきた。


登頂したことに感動して流れてきた涙じゃなかったと思う。



この旅が終わる、これまでやってきたこの旅がなんだかカタチになったような、うれしさ、悲しさ、寂しさ、達成感、希望、なんだか説明できないいろんなものがつまった涙なんだと思う。


今となれば登ったことはなんだか夢みたいで、写真を見れば、やっぱり本当に登ったんだよなって思えるような気がするくらいだ。

山は好きだし、日本に帰っても山登りはしたいと思うけど、もうあんなに高い山、あんなに高い雪山、いろんな道具なしには登れない山にはもう二度と登らないと思う。



自分みたいな素人でも登れるような山で、山に登るなんてそれを達成したという事実以外に何の意味もないんだけれども、終わりよければ全て良しってことなのか、これで日本に帰れる、これから始まるんだってゆう気持ちがどっからかふっとわいてきた。


日本に帰るのがすごく楽しみ、あのでっかいでっかい世界。

結局はそのでっかい世界に小さな一個が何をするかなんだ。

地道に地道に、宇宙よりも大きいかもしれない、鼻くそよりも小さいかもしれないただの一個が。




流されやすくて、他人の目を気にしすぎる、自分に激甘な自分が、口だけパターンに終わらずにいくだろうか。


日本楽しみだ。





IMG_7573.jpg


IMG_7615のコピー


IMG_7621のコピー
プロフィール

ヨネ

Author:ヨネ
一年間アジア、アフリカ、中東、南米など30ヶ国で豪遊。世界一周。 写真展『アップルワールド~真実の眼~』開催。フィリピン、マニラにて生活中。shunsukeyone@gmail.com

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
最新サッカーニュース
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。